バレンタインデー。
これほどまでに世の男子を
心理的に追い込む日は、
年間を通して今日だけではないでしょうか。
女性から強い反感買うことを
覚悟で筆を執りますが、
恋愛感情という一見素敵そうに
思えるエネルギーは、
それがまだあたたかいうちであっても、
鈍い刃となって人の心に傷を
つけることがあるのです。
世の男性諸氏は、
このイベントのために非常な
ストレスにさらされている
ということを男女共に是非
考えてみていただきたいと思います。
まず、好きでもない女の子から
本命チョコをもらってしまうリスク。
これがそこいらの店で買った商品に
ラブレターがついているくらいなら、
まだいいのです。
よくあるのが、手作りチョコ。
「LOVE」とか描いてあったり、
ハート型だったりという演出がヘビー。
さらにレベルが高いものになると、
手編みのマフラーなどと一緒に
という事例も実在します。
あれはお伽話ではありません。
かくいう私は高校生の頃、
まったく好きでもなんでもない女の子から、
それをいただいたことがあり、
断り方についてとてつもなく悩みました。
自慢話でもなんでもなく、
相手の方がどんな想いで
このマフラーを編んで、
チョコを溶かして型に流しこんで、
メッセージを書いて、
こんなに丁寧にラッピングしてくれたんだろう
ということに思いを馳せると、
あれは本当に辛いです。
次に、会社の部下など
プライベートな付き合いではない
女性からの義理チョコによって
強制的に負債を負わされるリスク。
経済的な負担であるだけでなく、
相手の好みをリサーチする
時間的負担も強いられ、
そのことによる精神的ストレスは甚大です。
最後に、周りがもらっているのに、
俺だけもらえなかった。。。
という、ねるとん紅鯨団で
誰からも告白されなかった女性の切なさに
匹敵するメンタル孤独死に至るリスク。
これも体験したことがある人にしか
分からないかもしれませんが、
私の後輩はこれが原因で兄弟間に
埋め難い溝が生じたそうです。
母親からもらうチョコは、
彼らの救いにはなりません。
ただ、そうは言っても、
一部の見返りを期待した贈り物である
ケースを除いて、基本的にはチョコを
渡すという行為に悪気があるわけではなく、
女性として純粋な気持ちに
基づいているということも分かってはいます。
だから、それを悪し様に言いたいというのが、
今回の趣旨ではありません。
このバレンタインという
たった50年かそこらの間に仕組まれた
経済的なイベントに踊らされた女性の激しく
燃える恋心がばらまく大量の灰の中に、
業火に炙られ、純粋であるがゆえに
傷ついてしまう哀れな男子の
心の燃えカスが含まれていることに
目を向けていただきたいのです。
特に10代と30代で婚期に焦りを
感じている女性。
できうることならば、
消し炭のように長く穏やかに
灯る愛を育みたいものですね。
バツイチ男より愛を込めて。