人に何かを指導する際に、
いつも意識していることがあります。
それは、以下の2点。
・当座の目的地を伝えること。
・相手の現在地を伝えること。
目的地が分からなければ、
どこに向かえば良いのか分からないのは
当然のことですが、
よくあるパターンとして、
相手に目的地を示しても
それを認識することができないことに
指導する側が気づかないことです。
判断の軸を持っていないことについて
正しく対処することは困難です。
だから、目的地を伝わる形で伝えることが
大切だと思います。
例えば、合氣道で初心者の方から
「前回り受け身はどうやるんですか?」
と質問されたとして、
自分が手本を示して
「やってごらんなさい」
なんて言っても無理があるわけです。
まずは、片膝をついてでんぐり返しするところから
始めなければ、恐怖が先に立ってしまい、
前に進むことができません。
そして、相手の現在地を正確に知ってもらうことも
目的地を正しく理解してもらうことと同じく
とても大切なことだと思います。
どこがどうなっているのか、
相手に理解できる言葉で伝えないと伝わらないものです。
居合の稽古で、鏡に自分の姿を写して
ある型をやってみてもらったとして、
当人にもおかしいのは分かるが、
どこがおかしいのかが分からないということは
往々にしてよくあります。
もちろん、私にもあります(笑)
通常、沢山の問題が複合しているのですが、
その中でも顕著なものに絞って、
鞘を引くのが遅れているとか、
股関節が固まっているとか、
ピンポイントで問題点を指摘してみると、
急にできなかった技ができるように
なったりするものです。
そして、できていなかったときの動きと
できるようになってからの動きを
自ら再現して比較してもらうのです。
そのことにより、当初示した目的地と
これまで立っていた現在地のパスが
初めてつながって、当人としては、
「腑に落ちた」状態となります。
私の経験上、このパスをつなぐことを怠ると、
その指導者に対して違和感を持つことに
なりやすいようです。
私も気をつけていこうと思います。
ではでは、素敵なひとときを♪