最近は、大きな家に住んで、外車に乗って、ブランド品に身を固めて、高
級レストランで食事をして云々というのが幸せといった価値観の方は絶滅危惧種になりつつあるようですが、皆さんはどう感じておられますでしょうか。
とはいえ、日本に住んでいると、どうにも拝金主義的な風潮が根強いなぁという印象を禁じ得ません。それがいいとか悪いとか言いたいのではないのですが、まぁ、切ないよなと思ってしまいます。
ここ最近は、社会的に恵まれた状態を目指すのが、より良く生きることにつながるとは限らないというか、むしろ、あんまりつながってないということに多くの人が気づきつつあるとは思います。
リアルな事例として、オーストラリアの資産家の Karl Rabeder さんという方の取材記事が面白かったので紹介させていただきます。
彼は裕福な暮らしに見切りをつけ、大方の資産を売却してチャリティに寄付したそうですが、その心情を吐露している部分の引用です。
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心の中の小さな声が「こんな消費や贅沢な暮らしはやめて真の生活をしろ」とささやいてきたと彼は述べています。自分が欲しても無いことのために、労働奴隷になっているように感じたのです。
Rabederさんが資産売却の決断に至ったきっかけは、妻とハワイに行った3週間のバカンスの時のこと。5ツ星のホテルに泊まり、使えるだけのお金を使いましたが、魂の抜け殻のような空しさを覚えました。
旅行の間、真の人間に会った気がしなかったと言います。全員が役者のようで、業務員は親しみのある役、客は客という重要な役、誰も彼もリアルに感じられなかったのです。
c.f.)
http://wakeupfromyourslumber.blogspot.jp/2010/02/millionaire-gives-away-fortune-which.html
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引用ここまで。
私は資産家とは程遠い市井の小市民でございますので、富豪の気持ちなんてものはわからないのでありますが、物を求め続けることが空虚だというのだけは直感的に間違いないと思います。
高級ホテルで少々遊んだ経験はありますが、その時感じたホスピタリティよりも田舎の民宿のおかみさんのおもてなしの方が心が温まったなぁとしみじみ思います。
快適さもある程度は欲しいと思いますが、それがゆえ、ないしは、それがためにに生きていけるようなものではないんじゃないかとと思うのです。でも、心が温まるような人との触れ合いは、それがあるからこそ生きていけると感じさせるのに十分なものなのではないでしょうか。
昨日のブログにも書きましたけれど、生きることとは表現することだと私は思っています。それも社会的なステータスであるとか所有物であるとか、そんなものではなくて、命の表現という書き方をしましたが、自分の肚の底からの尽きせぬエネルギーを表現すること。それこそが生の在り方だと。
生活の快適さ、人や物事を意のままに従わせること、多くの物を持つこと、一般的に価値があるとみなされているそういったことは、生の在り方として特に必要ないというか、付帯事情みたいなものだと思います。だから追求しても虚しくて当然というかなんというか。
例の選び方が極端かもしれませんが、James Deanや尾崎豊やHideのように非業の死を遂げたと思われている人たちが、生前にもし本当にストレートに自分の命を表現しきってきたなら、死に様はさておき、幸せな人生だったんじゃないかなと私は思います。
逆にもう精神も体も死にかかっているのに、社会的なニーズによって延命措置を施されてしまう人や義務感だけで生きている人というのは本当に不幸なのではないかと思ってしまいます。
長生するのもところを得ていればこそですね。ところを得るとは、命の表現方法とそれが許される状況を手にすることだと思います。
齢80を過ぎて尚もその表現を追求する方っていらしゃるじゃないですか。植芝盛平翁や森光子さん、ご存命の方だと入江一子さんのような。
世間一般では、老人ホームで命の灯火が消えるのを待っていてもおかしくないステージにいらっしゃいますが、それでも表現をやめないでいるその姿にはやはり感動を覚えます。
自分に老後があるかどうかは別として、どうせ歳を重ねるなら、そういった老後を迎えたいものです。年齢はさておいて、とにもかくにも、生きている限り命の表現欲求に素直に従って生きることが人の幸せであるのだと思います。
あなたは、人生のところを得ていますか?
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
あなたに素敵な人生のひとときが訪れますように♪