「食事するのは何のためか?」
そんな問いかけをしたら、
「何をバカなことを?」と、
あなたは思うでしょうか。
もし、少しでもそう思われたのであれば、
是非、毎日の食事の前に
「この食事をいただくのは何のためか?」
そう自らに問うてみていただきたい。
問いかけたそばからお分かりいただけると思いますが、
これは自分の生き方を問う質問です。
街中に飲食店が溢れ、
スーパーには所狭しと食材が並ぶ国、日本。
わずかなお金で簡単に安全な食べ物を
いつでも得ることができて当たり前の環境に
私たちは生まれ育ちました。
巷では、ダイエットや自己啓発に血道を上げて
いらっしゃる方が少なくありませんね。
でも、身の回りの当たり前のことに少し目を向けるだけで
いくらでも自己啓発の機会はあるんじゃないでしょうか。
日本の食品の約7割は、世界から輸入したものだそうです。
日本は、年間5,800万トンの食糧を輸入し、
その3分の1(1940万トン)を捨てているそうです。
片や、飢餓が原因で1日に4~5万人の人が亡くなっていて、
そのうち7割以上が子どもだそうです。
自分がぶくぶくと肥え太るまで食べたり、
残しては捨てたりといった生活をしている方は
それを知らないだけでしょうか。
知ってなお続けていらっしゃるのでしょうか。
日本の誰かが、今日1,000円払って食べたランチを
遠い国の誰かにもし譲ることができたなら、
何人かの子供の命が救えたかもしれません。
ちなみに、国境なき医師団では、
1,000円で栄養治療食10食分を
調達することができるそうです。
国境なき医師団
私を含め、セミナーや書籍に何十万、何百万、
人によっては何千万円も投資している方、
あるセミナーを終えてみて、それがどれだけ
人様のお役に立っているでしょうか?
毎度毎度の食事の前に、
ご飯を通して自分を見つめてみることの方が、
よほど心に刺さるものがあるかもしれませんね。
禅宗のお坊さんは、食事の前に
五観の偈(ごかんのげ)という韻文を唱えます。
一 計功多少 量彼来処
二 忖己徳行 全缺應供
三 防心離過 貪等為宗
四 正事良薬 為療形枯
五 為成道業 因受此食
(現代語訳)
一、この食事がどうしてできたかを考え、
食事が調うまでの多くの人々の働きに感謝をいたします。
二、自分の行いが、この食を頂くに価するものであるかどうか反省します。
三、心を正しく保ち、あやまった行いを避けるために、
貪など三つの過ちを持たないことを誓います。
四、食とは良薬なのであり、身体をやしない、
正しい健康を得るために頂くのです。
五、今この食事を頂くのは、己の道を成し遂げるためです。
彼らにとって、食事を摂るのは、
仏道を成就するためなのだそうです。
みなさんは、何のために次の食事をとりますか?
1日に数回訪れる貴重な機会を自らを省察する
チャンスとして活かしてみては如何でしょうか。
ではでは、素敵なひとときを♪