パレートの法則、いわゆる、28(にっぱち)の法則は「仕事の成果の8割は、費やした全時間の2割で生み出している」といった解釈をすることが一般的です。
よくビジネス書などでも引き合いに出されますし、ご存じの方も少なくないこの法則。
私の師匠から話を伺って実に深く納得したのですが、パレートの法則は通常の表現とは違った形で修行系のことにもあてはまります。
修行者から観たパレートの法則は、
「五感を通して知覚できることは2割しかなく、思想や感情の他、ESP的なものでしか感じ取ることができないものが8割である」
ということです。
知覚可能な2割から、バックグラウンドとなっている8割を探り出すことが見取り稽古であり、相手の技を受けて学ぶということです。
普通はこれを氷山の一角というのかもしれませんが(笑)
柔術には接触感覚から解析できない技というものがあります。その手の技は、相手のバックグラウンドにある8割の部分を理解できない限り、技を発生させないこと以外に対処のしようがありません。知覚可能な2割に頼っている状態で技をかけられた場合、どうしても回避することができないのです。
一般的な表現に近くなりますが、個人的にはこのようにも言えると最近思っています。
「ある体系化されたコンテンツに占める原理の割合は2割で、残りの8割は応用のための枝葉」
ここで重要な点は、真剣勝負であれば、枝葉の8割が生死を分けるということです。
一人前の修行者であれば、原理を身につけていることが前提で、如何に枝葉の精度を高めていくかが日々の焦点になるはずです。
あたかも落葉樹の葉が根本の土に還るように、精錬された枝葉から原理への気付きのフィードバックループが回り続けることで、自己完結的にスパイラルアップし続けていっていることが、修行者としてのあるべき姿であると思っています。
何はともあれ、まずはしっかりとした根を張ること。見えない8割に心を馳せ続けること。これが何事に於いても重要なのではないでしょうか。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
あなたに素敵な人生のひとときが訪れますように♪