危機感とどう付き合うか。そのスタンスが人生を左右すると思うことがこれまで度々ありました。
危機感がなければ、日頃生きていてストレスはあまり感じないけれども、成果を生み出したり、成長したりすることもないばかりか、いざ危機的な状況が現出したときに対処に困ることが往々にしてあります。いわば茹で蛙の状態です。
かといって、やたらと危機感を強く感じていればいいというものでもありません。日常生活が常に危機感に晒されているとしたら、大切な人が寝室に入ってきた時に銃口を突きつけてしまったLEONのように、あるいは、ワーカホリックの人のように心やすまることのない日々を送らなければならいでしょう。
とはいえ、仕事ができる人は危機感を感じるのが早いものです。成績の良い営業マンはこのままいくと、当月の数値が達成できるかどうかということを月初の段階で皮膚感覚で把握しているものですし、敏腕プロジェクトマネージャーは、納期遅れの原因になりそうなパートを素早く見極めて、消火活動が必要になる前に手を打つものです。
武道には、「間(ま)」といって、相手との関係性に於いて、攻撃をしかけたり受け流したりすることができるタイミングのようなものが存在します。「先の先(せんのせん)」や「後の先(ごのせん)」などと言われるものは、この「間」の取り方のことです。
間の感覚が鋭い人というのは、相手が動き出そうとする意識の発動の瞬間を事前に捉えて、自分が先に動き始めることができるのす。従って、「先の先」を取ることが可能であったり、余裕をもって「後の先」の対処ができたりするのです。
逆に、間の感覚が鈍い人というのは、相手に間を取られていることが分からなかったり、相手の間を取ることができないので、自分よりも間の感覚が鋭い人からいとも簡単に撃破されてしまうことになります。
物事に対する危機感を刹那に感じ取るものが「間」ということになりますが、ここでは「危機感」で統一することにします。
危機感を感じるのが早い人というのは、一体どういった人かということを観察してみると、端的に言えば、数多くの失敗を重ねてきた人ということになるようです。
仕事で数多の試行錯誤を繰り返すなかで、失敗するパターンを体得している人というのは、やはり危機感を感じるのが早いのです。
また、喧嘩などでボコボコにされた経験や精神的に相当なところまで追い込まれた経験など、命の危険をリアルに感じたことがある人なども危機感を感じるのが早いと言えます。
いずれにしても、何らかのシンドイ経験を積み重ねていくことによって、鋭敏な危機感というものが養われていくことは間違いなさそうです。
幸か不幸かこれまでの人生で生命の危機に瀕したことのない私は、物事に挑戦しながら失敗を繰り返すことでしか、感覚を研ぎ澄ましていく方法がなさそうなので、日々の仕事や稽古に命がけの状況を想定することで、成長速度を高めていきたいと思っていますが、みなさんは如何でしょうか。
失敗の積み重ねを大切にしていますか?
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
あなたに素敵な人生のひとときが訪れますように♪