「エントロピー増大の法則」とは、”断熱系において不可逆変化が生じた場合、その系のエントロピーは増大する。”という、そんな熱力学の言葉で説明されてもよくわかんねーよ。と投げ出したくなってしまう小難しいものではなくて、鉄くぎを放っておくと錆びますよとか、食べ物はいつか腐りますよとか、そういった身近にある現象に密接に関連した法則です。ということにします。
太りやすい人は、概ね好き勝手にたくさん食べてどんどん太っていきますよ。みたいな人の性格が関連することまで含めると難しくなるので、今日は扱いません(笑)
昨日、変わらないものはないということを書きましたが、エントロピー増大の法則は、物事のあらゆる変化の一翼を担っていて、ある意味で、この世を支配している法則でもあると思います。
鉄くぎや食べ物といったわかりやすいものだけでなく、人の体や、はたまた星といったものまで、あらゆる形ある物がこの法則との戦いを強いられているのです。
人体が常に酸素を取り入れる必要があるのは、摂取した栄養をエネルギーに変換したり、老廃物を排泄したり、酸素を消費する反応が体中の至るところで起きているからですね。これは酸素を取り入れることでエントロピーの増大を食い止めていると言い換えることができると思います。
ドリンカーの救命曲線によれば、呼吸停止状態になってから人工呼吸を始めるまでの時間による命を救える確率は、3分後は75%、4分後は50%、5分後は25%、10分後にはほぼ0に近くなるそうです。また、脳が酸素なしで生きられる時間はわずか3~4分と言われているようです。
要は酸素を供給しなければ、急速にエントロピーが増大してしまうというシビアな戦いを人の体は日夜繰り広げているわけで、他にもご飯を食べないと餓死するとか、お風呂に入らないと臭いとか、エントロピーの増大と戦うことが生活そのものなんじゃないかという様相を呈しています。
もちろん、それのお陰でダイナミズムを感じながら暮らすことができるという恩恵もあるとは思うのですが、常々サバイバル状態でいることには時としてしんどさを感じるというのが正直なところかもしれません。
これはビジネスも同じ事なんじゃないかなと思います。
今日の売れ筋は明日の死に筋かもしれませんし、一時は隆盛を極めたビジネスがあえなく破綻したなどという事例は枚挙に暇がありません。なんとかかんとか工夫してキャッシュという名の酸素を供給してやらないと、すぐに企業も死んでしまいます。
体で言えば、小腸が食べ物の消化吸収のフロントラインだとしたら、企業では営業がキャッシュインのフロントラインかもしれませんし、店舗かもしれませんし、ウェブサイトかもしれませんね。
小腸は2日で細胞が入れ替わるそうです。あなたのビジネスのフロントはどれくらいのスパンでPDCAなりなんなりのサイクルを回していますか?
骨ですら6ヶ月で細胞が代謝されるそうですから、小腸の90倍の期間ですね。ともすると、フロントの改善施策を投下する期間の90倍くらいの期間を以て、ビジネスモデル自体も見直さないと危ないかもしれませんね。
体にせよビジネスにせよ、エントロピー増大の法則に先回りして、古い細胞を捨て、新しい細胞を創り出す自転車操業を続けなければ、その生命を維持することができないようです。
あなたのビジネス、まんべんなく代謝できてますか?
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
あなたに素敵な人生のひとときが訪れますように♪