ギリシャ神話の『ピグマリオン』と映画の『マトリックス』は本質的には同じことを表現してるのかもしれないと最近ふと思いました。
人がどのようにしてバーチャルリアリティの中で生かされているかを描写している点に於いて似ているなと。
物語の象意はこんな感じなのだと思います。
アフロディテがピグマリオンの前に現れてモデルをしたのは、欲望のステレオタイプを人間(ピグマリオン)に刷り込んだこと。
ピグマリオンが、自分の作り上げた彫像があまりにも美しく、それに恋をしてしまったのは、ありもしない幻想を求めている理想だとして思い込んだこと。
そして、毎日、何も手につかず、彫像が自分の想いに応えてくれないなら、自殺をしようと言い、それを聞いたアフロディテが彫像に命を与えたのは、ピグマリオンが欲望を叶えるために自分の命を差し出したこと。
その後、ピグマリオンは生涯をかけて、世界中の神殿にアフロディテの像を作って過ごしたのは、ピグマリオン(人間)が契約によりアフロディテ(偽の神)の奴隷になったこと。
ここで物語は終わっています。
いうなれば、アフロディテはマトリックスのエージェント役、ピグマリオンは人間がマトリックスに閉じ込められるようになった経緯を演じていると思います。
バーチャルリアリティに生きていれば、本来持ち合わせている生命エネルギーは使いどころがないわけですが、マトリックスでは、それを首の後ろに挿したケーブルから吸い上げていましたね。
ピグマリオンの神話では、アフロディテが直接的にピグマリオンの生命エネルギーを吸い取る描写はありませんが、奴隷化したピグマリオンが幻想への信仰を広めている姿が描かれています。
西洋の黒魔術には悪魔との契約といった趣旨の儀式があり、通常、人間が差し出すものは命になっているようです。
カスタネダの『夢見の技法』でも異世界の存在が人間の生命エネルギーを奪う描写があり、シャーマニズムの世界でもそれが通説のようです。
人間の生命エネルギーとは何なのかという説明をすることは私にはできませんが、妖しい存在たちがこぞって欲しがる何かではあるようです。
日頃、生命エネルギーを何かに差し出してしまっていませんか?
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
あなたに素敵な人生のひとときが訪れますように♪