「執着」というと、それだけで悪い言葉に聞こえてしまうものですが、世の中には執着して良いというよりむしろすべきことというものがあると思います。
芸術などの熟達を要するもので、執着に執着を重ねた結果、人が心から喜べるような何かを生み出す領域がまさしくそれにあたるでしょう。
むしろ、究極的に執着して、時間やお金や情熱といったものを投下しない限り凡人の域を出ることはなく、その人の作品をして人々を感動させるようなことにはならないものだと思います。
この領域で生きていくことは、人生を賭けた大博打なんじゃないかなと思います。一生を賭したとして、達人の領域に達する保証はなく、道程の安定も承認も評価もなく、時として孤立無援の歩みを強いられることを跳ね返すだけの止むに止まれぬ想いがなければ、道半ばで挫折してしまうことでしょう。
芸術家にせよ武道家にせよ、達人の領域に入った御仁というのは、神がかり的であったり、狂人のようであったり、ある種、常軌を逸したところがあるのはよく知られていることです。棟方志功しかり、植芝盛平しかり。
誰でもが選べる道ではないにせよ、命の灯が消えるまでその道を歩ききった暁には、凡夫の到達し得ない境地に足を踏み入れることは間違いなさそうです。
今は目先の安定が保証された道を往く私ですが、徐々に道なき道へとシフトしつつある昨今、不安と期待が入り混じった気持ちを抱えながら歩むことを日々楽しんでいます。先が見えないから面白いし、やりがいもあるのでしょうから、それを選ばせていただけることに感謝ですね。
五里霧中の道程を楽しむこと、できていますか?
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
あなたに素敵な人生のひとときが訪れますように♪