三密とは、密教の言葉で身口意の三つの働きのことを指しますが、世の中では天地人・心技体であるとか、三和音とか、3つのものの関係性で成り立っている、いわゆる三密関係にあるものがたくさんあります。
点が2つまでだと1次元ですが、3つの点を使うと三角形を描くことになるので、2次元を表現することができます。
2点の場合は、1つの点を動かしても直線の長さが変わるだけでしたが、3つの点になると、そのうちの1つの点の座標を変えると、図形の性質が変化するようになるということです。
三角形を構成する2つの点の座標を固定しておいて、1つの点を動かせば、鋭角三角形にも鈍角三角形にも正三角形にも二等辺三角形にも、どんな三角形でも作ることができます。
ということは、三密関係にあるものというのは、そのうちのどれか1つを操作するだけで、全体が変わるということになります。
たとえば、自分を変えたいと思えば、身口意のうち、言葉遣いを変えるだけで心のあり方も体のあり方も変わっていくので、当然に人間そのもののあり方が変わっていくこととなります。
これって、すごくないですか?天の恵みとでも言うべきか。
体の修行もして、言葉の修行もして、心の修行もしてって、3つすべてのことに取り組まなくても、どれか1つに手をつけるだけで3つが変わってくれるなんて、お手軽で素敵じゃありませんか。
セラピーで言えば、フィジカルを癒そうとメンタルを癒そうと得られる結果は本来同じだということです。
だからいちいち、これは体の問題、これは心の問題と切り分ける必要はなく、物理的に捉えやすい体を操作してあげれば、即効性をもって望んだ効果を得られることになるのです。
逆に言うと、落ち込んでいることきに壇蜜を見て心が躍ったとしても、その瞬間に実は体のあり方が変わっていることに気付けなければ、一過性の効果しか得られず、中毒的に外部刺激に頼るような心のあり方になってしまうということです。
ちょっと分かりにくいかもしれませんが、そういうことです。
宗教の世界で現世利益が蔑視されのは、密教的に言えば、そんなものは即物的に得ることができるつまらんものですよ。という意味と捉えることもできるかもしれませんね。
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あなたに素敵な人生のひとときが訪れますように♪