最近、ホントにマラソンが流行ってますね。
昔から走っている人はいましたが、今のようなオサレなウェアや素人でもオーダーメイドできるランニングシューズなんてありませんでしたよね。
世の中変わったものです。
斯く言う私は持久走の類は好みではなく、運動といえば武道一辺倒なのですが、こちらは日本古来の素晴らしい伝統を伝えているのに一向に流行る気配すら見せません。
一部の流派では、日本よりも海外の方が盛り上がっているんじゃないかというところさえあります。
ではでは、なぜ、世にも素晴らしい純然たる日本文化としての武道ではなく、外来の単純で文化の薫りのないマラソンなどいうものが我が国で流行るのか。
それには実はたくさんの理由があるのでした。
1.習わなくていい
習わなくたって誰でも走れます。ある程度以上のレベルを目指すなら指導を受けることも必要で
しょうが、一般ピープルはそのようなことはまずないでしょう。
武道は習わないとまずお話になりません。教則本を読むだけで技が身につくなんてこと、絶対にありませんから。
2.相手がいらない
基本的に一人で完結します。自分の走りが正しいかどうかを厳密に問うことなどあまりないでしょう。通常は命かかってませんし。
武道は基本的に相手を想定する必要があるため、一人で稽古することはできても、それだけだとどうしても甘くなりがちであり、自らの動きが正しいかどうかを検証するためには他者の存在が必須です。
3.道具がカッコよく見えて安い
こだわらなければ、とりあえず持っているスニーカーとTシャツ、短パンでOKですが、プロ選手が使っている道具とほぼ同じものを自分も簡単にショップで入手することができます。それも比較的安価に。
武道では、伝説の剣客が使っていたのと同じ刀なんていったら重要文化財や国宝だったり、現存しなかったりします。もちろん、居合刀としてレプリカはありますが、実用的でないものが多いですね。
ちなみに、NIKEのシューズやウェアやゴルフクラブは買う人がたくさんいますが、NIKEの居合刀があったとしても誰も買わないと思います。ライトセーバーみたいにカッコよかったとしても、たぶん真面目に稽古している人は買いません。Adidasの道着くらいなら学生あたりが買うかもしれませんが。
4.認知度が高い
道具との兼ね合いもあって、大手資本が参入しているため、多くの人が頻繁に見聞きします。
武道はというと、大きな団体であってもスポンサー集めに一苦労。学校や警察などを押さえているところは強いと言えば強いですが。
5.期待効果が明確
走れば健康になる。といった安易なイメージが市民権を得ているように思います。アスファルトを走って膝を壊す人もたくさんいると思うんですけどね。
武道は深甚玄妙なる世界ですので、ちょっとやそっとやっても全然何も身につきませんし、「だから何?」という答えを自分で見つけられないと継続できないもののように思います。
6.仲間をつくりやすい
一人でできるものでありながら、一緒に走るなんてことも気軽にやりやすいです。ゴルフと一緒でランニングで仲良くなるなんてことも最近じゃ少なくないのだと思います。
武道はあくまでも修行の世界。稽古仲間は必要ですが、自分と同じ温度感、同じ目標を持っている人を探すことは容易ではありません。
7.場所を選ばない
ランニングは道さえあればとりあえずできます。どんなに空気が悪くても都内の交通量が多い道路をみなさん元気に走っています。
武道はかなり場所を選びます。道端で居合刀を振り回していたら通報されること間違いなしです。柔術にしてもアスファルトで受身を取るのはなかなかにハードです。
8.時間を選ばない
早朝から深夜まで、ほぼどんな時間でも走っている人を見かけます。仕事の昼休みに走るという強者すらいるようです。
武道はというと、音を立てるケースが多いので、夜はやりづらいです。居合にしても深夜家で練習していたら家族にうるさがられるなんてことは十分にあり得ます。
9.ルールが単純
マラソンは、ただ時間内に走りきればいいだけ。
武道は、試合があるものとないものがありますが、試合がないものの方が何をすれば良いのか、何をしてはならないのかが、傍目にはよく分かりません。
10.イメージが良い
ランニングは、健康的だし、流行ってるし、アメリカのエグゼクティブはみんな早朝走ってるんでしょ?ということで、なぜかセレブなにほひすら感じている人がいるようです。
で、武道はというと、なぜ今更格闘技?と思うような方もおられるようですし、どうも敷居が高く感じてしまう方が少なくないようです。
というわけで、制約条件が少なくて、大手資本が収入源としやすいものは流行るということのようです。
なんとなく切なくなりますね。。。最後までお読みくださり、ありがとうございます。
あなたに素敵な人生のひとときが訪れますように♪