武士はなぜ切腹するのか?
それは、自分が生存することよりも大切なものを守るためだったのではないでしょうか。
現代は、様々な欺瞞があるとはいえ、人の命が最も尊いものとされています。
それはとりもなおさず、生存を維持するためであれば、それ以外のものを犠牲とすることを是認する生き方をしているということです。
豊かになったかにみえる現代は、見方によっては、サバイバルが最優先される世の中になっているように思います。
往々にしてサバイバル状況下では、人であるか動物に成り下がるかの選択を迫られることは、第二次世界大戦中の日本軍のエピソードは極限状態の例に事欠きません。
もっと卑近なところでは、電車でお年寄りを押しのけてでも座ろうとする人あたりがその好例でしょうか。
自分がいくら疲れていたとしても長幼の序というのもが尊重される世の中だとしたら、あり得ないことですね。
先の震災では、日本人の振る舞いが世界を驚愕させ、つい先日は些細なことでやはり世界が驚いたそうですが、それは外国人が目で見て分かる程度のことは、現代日本人にもなんとかできるという事例でしかないと私は思います。
c.f. ) 「日本、また世界驚かせた」電車押し救助を絶賛(読売新聞) – Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130726-00000376-yom-soci
大本教教祖の出口王仁三郎は、海外への布教を求められた際、外国人には理解できないという趣旨の返答をしたことがあるそうですが、それは目に見えることしか理解できない人間には伝えることができないという意味だったのではないかと私は思います。
今でも西洋医学の大部分で鍼灸が受け容れられないのと同じようなことかもしれませんね。
もし本当に現代日本人が生存に最高の価値を置いているとしたら、既に精神的に重要なものを失ったと言えるかもしれず、精神性の程度が下がっているのだとしたら、遅かれ早かれ文化的なレベルは下がることになるでしょう。
現代人の私たちにとっては既に難しいことかもしれませんが、自分の命よりも優先できるものを何かひとつでも持っておくことは、日本人としての精神性を保つために良い方策となるのではないでしょうか。
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あなたに素敵な人生のひとときが訪れますように♪