人と人、人と社会、人と宇宙、肉体と魂、心と体、敵と味方、どんな関係であれ、関係を固定しようとした瞬間に、それまで何の問題もなく円滑に動いていたものが崩れ始めるような気が最近しています。
世の中には、人間の知覚レベルで捉えることのできる確実なものというのはあまりなくて、常に不安定な状態をキープし続けることで存続しているものが殆どなのではないでしょうか。
例えば、この体は、タンパク質や脂質やカルシウムなどの分子で構成されていますが、それはいつか食べた食事が身になったもので、常に代謝によって古い細胞が消え、新しい細胞に入れ替わるものです。また、細胞の構成分子は、電子その他の粒子が絶えず動きまわっているものであり、どこをとっても固定されている部分を見出すことなどできません。今この瞬間とまったく同じ状態はおそらく永遠に来ないのです。
マクロの視点で観てもそうなのだと思います。地球が他の星々とまったく同じ位置関係になることは太陽系自体の移動を含めて考えたら、おそらく永久にあり得ないでしょう。
つまり、いつでも一瞬のスナップショットを観察することしかできないのが当然で、それを固定化しようとすること自体に無理があるのです。言ってみれば、この世の中は、全員が全員、絶え間ない変化に対応するための自転車操業をしているのだと思います。ラプラスの悪魔は、将来を精確に予測することはできるのかもしれませんが、今の関係性を固定しておくことは不可能でしょうから、もしかしたら、神すらもちゃりんこをこいでいるのかもしれません(笑) 全宇宙を舞台に繰り広げられる壮大な平家物語みたいなものをオールキャストで諸行無常の響きにゆらいでいるのです。
固定できないものを固定しようとするから、切なくなったり虚しくなったりしちゃうんでしょうね。いつまでもあると思うな親と金じゃないですけどね、最愛の彼女に振られるのも、病気になるのも殺されちゃうのも、宝くじにあたるのも、玉の輿に乗るのも何でもござれなんですが、所詮は禍福は糾える縄の如しで、誰しもがくるくる入れ替わる状況に身を委ねるしかないのです。
ということで、波瀾万丈の人生も波穏やかな人生も、変わることしかできない身の上であるという1点に於いてどっちも一緒なのだから、それを楽しみに受け入れたらいいと思うんですね。ダイナミックなジェットコースターのように楽しむようになっているのか、和気藹々とメリーゴーランドのように楽しむようになっているのかは、生まれた星によって、あるいは、付けられた名前によって、人生の旅のテイストが決まってしまうようですが、どんな状況でも変わっていくしかないのですから、流れに抗わずに流れにうまく乗る心構えを常に持っていたいものです。
変化を楽しむ余裕、持っていますか?
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
あなたに素敵な人生のひとときが訪れますように♪
2 comments
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「人間精神と機械」について思う所を記事にしてみました。興味がおありでしたらご一読下さい。
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>御坊 哲さん
コメントありがとうございます。
折をみて拝読させていただきます。