※本記事は田中恵祥先生のサイトからの転載です。
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10.天沢履(てんたくり)
虎の尾を履むような危険な時
運勢予報
晴れたり曇ったり
卦辞
履虎尾。不咥人。亨。
(とらのおをふむ。ひとをくらわず。とおる。)
運勢
「履」は草履の履で踏む、実践するということ。「天沢履の時、虎の尾を履むような危険はあるが、人に噛みつくことはない。通じる」。 この卦の上卦・天は怖いおやじ、下卦・沢はか弱い少女を意味し、剛健なも のに柔弱なものがそろりそろりと従っている姿です。天沢履の時は、危険がいっぱいの時ですが、虎の尾を履むような気持ちで自分を先立てず、先輩や上司の意 見に従って進むことです。そして、「親しき中に礼儀あり」で、いかなる時でも礼儀を失わず、人の道を履み行うことです。 なお、天沢履は女子裸身の卦ともいわれます。すなわち、卦象を見たらおわかりのとおり、一人の女(陰)が五人の男(陽)を三爻の股の所で相手にして いる姿です。異性問題にはとくに気をつけましょう。
初爻
爻辞
素履。往无咎。
(そりゆきてとがなし。)
対処法
「飾り気なく素直に進めば問題はない」。あるがまま、あなたらしさを大切にする時です。
二爻
爻辞
履道坦坦。幽人貞吉。
(みちをふむたんたん。ゆうじんていにしてきち。)
対処法
「幽人」は山の中に隠れ住む人のこと。「坦々と道を行く。一人、心静かに世捨て人の如く、貞正にしていれば吉」。周囲の雑音に惑わされず、我が道を行く時です。本業を守り、表立った行動は差し控えましょう。引っ込むが正解。
三爻
爻辞
眇能視、跛能履。履虎尾。咥人。凶。武人爲于大君。
(すがめよくみる。あしなえよくふむ。とらのおをふむ。ひとをくらう。きょう。ぶじんたいくんとなる。)
対処法
「眇」は片目が悪いこと。「跛」は片足が悪いこと。「目が悪いのに充分に見えるふりをし、足が悪いのに充分に歩けるふりをして進む。 こういう具合なので虎の尾を履(ふ)んでしまい、ガブリと噛み付かれる。凶。並みの武人が総大将になったようなものだ」。実力もないのに、自信過剰で大言壮語しているような時です。この世の中、空いばりが通用するほど甘くはありません。ところで、この爻は天沢履の中でも、ズバリあなた(陰)が異性 (陽)に囲まれていることを示しています。しかも、三爻は人体では股のところです。異性関係にはよくよく注意する必要があります。油断すると素っ裸にされる恐れがあります。
◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。
四爻
爻辞
履虎尾。愬愬終吉。
(とらのおをふむ。さくさくたればついにきち。)
対処法
「愬愬」は恐れ慎むこと。「虎の尾を履んでしまった。怖れ慎んでいれば最終的には吉」。危険いっぱいの時ですが、気を抜かずに慎重な態度を貫けば大丈夫です。
◎良い時です。
五爻
爻辞
夬履。貞厲
(ふむことをさだむ。ただしけれどもあやうし。)
対処法
「夬」は決断、決行のこと。「堂々と進むことを決断する。貞正にしていても危うい」。礼儀正しく進む時です。独断専行は危険です。
上爻
爻辞
視履考祥。其旋元吉。
(ふむことをみてしょうをかんがう。それめぐればげんきち。)
対処法
これまで行ってきたことを振り返り、じっくり反省する。誤った道を進んできたのなら立ち帰って大いに吉」。過去の経験を生かし、将来の目標を定める平安な時です。他の人の意見や前人の行ないも参考にすること。
◎大変良い時です。