※本記事は田中恵祥先生のサイトからの転載です。
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23.山地剥(さんちはく)
崩壊寸前の危機の時
運勢予報
大雨
卦辞
剥。不利有攸往。(はくはゆくところあるによろしからず。)
運勢
「剥」は追剥の剥で、ハギ取ること。「山地剥の時には進んで事を行なってはならない」。この卦は、全体を圧縮すると山になり、上爻が山崩れを起こして下まで落ちていく姿を表わします。上爻の陽の悲鳴が聞こえてきそうです。山地剥の時は、崩壊寸前で足もとが非常に不安定な時です。すなわち、大きな危険、みんなハギ取られるような危険がそこまで近づいている状態です。こうした時には最低限、自分の立場を守り、身を守り、何事も進むべきではありません。さまざまな災難や転落などの事故も起こりやすい時ですから、充分な注意を怠らないことです。会社ではトップが苦しんでいる時で、倒産寸前の状態にあるなど、難問山積の時でしょう。あるいは、あなたがつきあげられ、ハガされる立場になるかもしれません。
初爻
爻辞
剥牀以足。蔑貞凶。(しょうをおとすにあしをもってす。ていをほろぼせばきょう。)
対処法
「牀」はベッド。「蔑」は滅ぼすこと。「ベッドの脚が崩れる。貞正を失えば凶」。足元の揺らぎ始めている時です。部下の造反などに目を光らせるべきです。
◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。
二爻
爻辞
剥牀以弁。蔑貞凶。(しょうをおとすにべんをもってす。ていをほろぼせばきょう)
対処法
「牀」はベッド。「弁」はベッドの脚の付け根のこと。「蔑」は滅ぼすこと。「ベッドの脚の付け根が崩れる。貞正を失えば凶」。二爻、すなわち従業員グループである下卦の中心人物の造反のため、会社も揺らぎましょう。早く災難を避ける方法を考え、ガードを固めることです。
◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。
三爻
爻辞
剥之无咎。(これをはくすとがなし。)
対処法
「ベッド本体が崩れるが問題はない」。たとえ仲間はずれになってでも正道を守るべき時です。つまらない連中とはキッパリ手を切りま しょう。
◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。
四爻
爻辞
剥牀以膚。凶。(しょうをおとすにはだえをもってす。きょう。)
対処法
「牀」はベッド。「膚」は人の皮膚、すなわち人のこと。「ベッドが崩れて人の上にまで危険が及ぶ。凶」。あなたの身にこの上なく危険が迫っている時です。身一つで至急逃げるしかないでしょう。
◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。
五爻
爻辞
貫魚。以宮人寵。无不利。(うおをつらぬく。きゅうじんのちょうをもってす。よろしからざるなし。)
「魚」は衆陰(初爻から5爻まで)を指す。「魚の目指しの如く女官を従えて、君の寵愛をうけるようであれば、よろしい」。災いの渦中の一服か、あなたの従順さが愛され、上司の引き立てを受ける時です。妥協策を講じて無難な時。
上爻
爻辞
碩果不食。君子得輿。小人剥廬。(せきかくらわれず。くんしよをえ。しょうじんろをおとす。)
対処法
「碩果」は大きな果実。「輿」は車。「廬」はすみかのこと。「たった一つ残った大きな果実を誰も食べることはできない。君子は馬に乗り、小人は住む所すらない」。災難の時が崩れ去って、新しい状態に移り変わろうとしている時です。時の審判を仰ぎましょう。実力のある人ならば、やっと日の目を見る時が来ました。今は無理をせず、再起に備えることです。