※本記事は田中恵祥先生のサイトからの転載です。
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3.水雷屯(すいらいちゅん)
生みの苦しみに耐え忍ぶ時
運勢予報
大雨
卦辞
屯。元亨利貞。勿用有攸往。利建侯。
(ちゅんはおおいにとおるていによろし。ゆくところあるにもちうるなかれ。こうをたつるによろし。)
運勢
「屯」は伸び悩むこと。「水雷屯の時、大いに通じる。貞正であれば良い。今は進んではならない。諸侯にやってもらうのが良い」。この卦は、早春に厚く積もった雪(水)の下から若芽(雷)が必死に出ようとしているのですが、雪の重圧にさえぎられて立ち往生している姿です。すなわち、タイミングが悪いのです。水雷屯の時、もし、やるべきことがあれば昔、王が地方に諸侯を置いたように、自ら手を下さずに人にやってもらえとあります。雪解けを待って、動かずじっと我慢の時です。
◎三大難卦に次ぐ難卦です。
初爻
爻辞
磐桓。利居貞。利建侯。
(ばんかんたりていにおるによろし。たてられてこうたるによろし。)
対処法
「磐桓」とは大きな石のこと。「大きな石のようにどっしりと動かずに貞正を守るのが良い。諸侯(地方の責任者)ぐらいが良い」。会社で言えば、地方で頑張る時でしょう。才能があっても今は中央を目指さず、現状で努力することです。
二爻
爻辞
屯如。邅如。乗馬斑如。匪寇婚媾。女子貞不字。十年乃字。
(ちゅんじょてんじょ。うまにのりてはんじょ。あだするにあらず。こんこうせんとす。じょしていにしてじせず。じゅうねんにしてすなわちじす。)
対処法
「屯如」「邅如」「斑如」は、行ったり来たり、うろうろすること。「寇」は敵、賊のこと。「字」は結婚すること。「馬に乗ってうろうろと近寄ってくる男がいる。敵ではなく求婚しにきたのだ。しかし、女子は貞操固く結婚しない。十年後に結婚する」。不遇の時が長く続きます。今は、何事も動き回らず、力をつけることです。苦しくとも安易な方向を選ばないこと。
三爻
爻辞
即鹿无虞。惟入于林中。君子幾不如舎。往吝。
(ろくにつきてぐなし。ただりんちゅうにいる。くんしほとんどすつるに しかず。ゆけばりん。)
対処法
「章」とは知識、才能のこと。「王事」とは王命による日常の仕事のこと。「才能をひけらかさず貞正にしておくことだ。日常の仕事を真 面目にやっていれば、目立つようなものでなくても終わりを全うすることができる」。いくら才能があっても、発揮するタイミングというものがあります。会社 ではルーチンワークに徹する時ですが、くさらず本分を全うすること。
四爻
爻辞
乗馬班如。求婚媾往吉。无不利。
(うまにのってはんじょ。こんこうをもとむゆけばきち。よろしからざるなし。)
対処法
「班如」とは、うろうろすること。「馬の乗ってうろうろしていたら、求婚してくる者がいる。これは進めて良い。よろしい」。協力 が大切な時、人に求められて行なうことぐらいは良いでしょう。
五爻
爻辞
屯其膏。小貞吉。大貞凶。
(そのこうをちゅんす。しょうていはきち。だいていはきょう。)
対処法
「軟膏を塗ったところ、全体にきれいに塗れず、一ヶ所に固まってしまった。小さい事は吉であるが、大きな事は凶」。何事も思うように進まない時です。今は大きな事に手を出さないこと。
上爻
爻辞
爻辞 乗馬班如。泣血漣如。
(うまにのりてはんじょ。きゅうけつれんじょたり。)
対処法
「漣如」はひっきりなしに泣くこと。「水雷屯の動いていけない時に馬に乗ってうろうろしていたからバチが当たったのだ。血の涙をながして泣き叫んでいる。」孤立無援の状態です。しかし、悲しみのどん底の今を耐え抜けば道が開けてきます。あと少しの辛抱。
◎あなたの考え方、進み方に大きな欠陥があります。よく反省し、方針の転換をしましょう。