※本記事は田中恵祥先生のサイトからの転載です。
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9.風天小畜(ふうてんしょうちく)
渋滞に巻き込まれたような時
運勢予報
晴れたり曇ったり
卦辞
小畜。亨。密雲不雨。自我西郊。
(しょうちくはとおる。みつうんあめふらず。わがせいこうよりす。)
運勢
「小畜」は少しとどめること。「風天小畜の時、通じる。厚い雲が立ちこめてきたが、雨はまだ降ってこない。やがて、西のほうから降りだすことだろう」。風天小畜の時は周囲の状況が悪く、うまくいきそうでいかず、進めそうで進めない。すなわち目的地の手前で車の渋滞に遭ったような時で す。このような時は、何事も時期を得ていないわけですから、いたずらに前進しないことです。しばらくは学問などに打ち込み、コツコツと実力を蓄えて機が熟する日を待つことです。
初爻
爻辞
復自道。何其咎。吉。
(かえるみちよりす。なんぞそれとがあらん。きち。)
対処法
「途中で引き返す。何の問題があろうか。吉」。手を出しかけてハッと我に返る。風天小畜の時に適った正しい選択です。平常心を取り戻 して、現状維持といったところ。
二爻
爻辞
牽復吉。
(ひかれてかえるきち。)
対処法
「友人に引かれて帰る。吉」。持つべきものは良き友人です。人の意見に素直に従いましょう。
◎良い時です。
三爻
爻辞
輿説輹。夫妻反目。
(よふくをとく。ふさいめをそばむ。)
対処法
「輿」は車、「輹」は車軸のこと。「車の車軸が外れて車が壊れてしまい進めない。夫婦でケンカするようなものだ」。内部分裂がもと で、大切なことが台無しになる時です。夫唱婦随の精神を見習って、強引さ性急さを控えること。
◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。
四爻
爻辞
有孚。血去愓出。无咎。
(まことあり。ちさりおそれいず。とがなし。)
対処法
「愓出」は危険が去る意味。「誠がある。血や膿が出てしまって恐れも去った。問題はない」。誠意を尽くせば、難問が解決しうる時です。慌てないこと。
五爻
爻辞
有孚。攣如。富以其隣。
(まことあり。れんじょ。とみそのとなりをもってす。)
対処法
「攣如」は手を取り合うこと。「誠があって、手を取り合うようにしっかりと心を合わせて相親しむ。富も隣人と分け合う」。成功は皆で喜ぶもの、共存共栄の時です。
◎大変良い時です。
上爻
爻辞
既雨既処。尚徳載。婦貞厲。月幾望。君子征凶。
(すでにあめふりすでにとどまる。とくをたっとびのす。ふはただしけれどもあやうし。つきぼうにちかし。くんしゆけばきょう。)
対処法
「望」は満月のこと。「ついに雨が降って、その恵が行き渡るように、徳も、車に戴せるぐらいに盛大になった。このような時、本来、陰であるべき婦人が貞正にしていても危うい。月が満月に近づいて輝きを増し、一層歯止めが効かなくなった。こうした時には、君子であっても進むことは 凶」。目的をすでに達成したのに、まだ不満足で進もうとしている時です。これ以上の欲は出さずに、有終の美を飾りましょう。