宇宙一難しいことは、一体何であろうか。
見渡す限りの宇宙を創造することか、それとも宇宙全体を上手にコントロールすることか。
残念ながら、いずれも正解ではない。
何故なら、全能の神なら、宇宙を創造することも、宇宙を維持することも、何らの苦労もなく「ちょちょいのちょい」で出来るからだ。
宇宙で難しいことのほとんどは、実はこの地球に存在する。
何故なら、人間は神の分身の中で最も能力を削がれたうえ、かつまた最大級のハンデを背負って生きているからである。
そして、人間のあらゆる生命活動の中で最も難しいことは何かというと、毎日愛の実践をすることである。
一回こっきりの愛の実践なら、誰にでも出来る。
だが、毎日毎日一日も欠かさず愛の実践を続けることは、並大抵のことではない。
何故なら、識別力や克己心、また勇気や忍耐力や寛容さなど、実に多くの要素が必要だからである。
また、自分を愛することと他者を愛することの垣根を取っ払うことが、いかに難しいことなのか、皆さんもちょっと想像してみたらすぐわかることである。
本物の愛ある人というのは、マザーテレサやアンマのように、自分を愛することと他者を愛することに、全く垣根がなくなってしまった人のことをいう。
一見簡単そうに見えるが、実際にはものすごく難しいこと、それが愛の実践である。
だから私は、真の聖者とは、宇宙の真理に関してほとんど無知であるにもかかわらず、多くのハンデを背負いながら、市井にあって目一杯他者愛に生きておられる名もなき方たちのことであり、宇宙一難しいこととは、この地球で毎日愛の実践をすることである、と公言して憚らないのである。
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